【教員の給料】教師の生産性と賃金の話

教員の生産性って何だろうと考えたときに、非常に数値に出しにくいと思ってしまうのは私だけであろうか。

教員の賃金を上げなければ!!と声は上がるが、どのようにして彼らの「仕事」を数値で計ったらいいのかと考えてしまいます。

私も、教員を3年間勤めていました。

この3年間でどれだけ生産的な活動をしたのか、新しい仕組みを取り入れてどんなことが改善させたのかを数値で説明してくださいと言われたら、それは非常に難しいし、おそらく説明ができない。

結論から言うと、教員の生産性を定義して数値化し、賃金に反映させるのはかなり難しいということ。

教員の仕事を分類すると、4つに分けられると思います。

  • 教科指導
  • 部活動指導
  • 生徒指導
  • 進路指導

の大きくこの4つです。

校務分掌といったものもありますが、今回は除くこととします。

教員の仕事

教員は非常に忙しい。

仕事が多くて謀殺されてします。

といった悲鳴をよく聞くと思います。

ただ、実際に現役の教員が声に出して言うことはできませんし、教育論をワイドショーなどで良くしゃべっている評論家っぽい人も現場を知らないことが多いので、この場を借りて私が説明させていただきます・

結論から言うと教員の仕事は非常に複雑で煩雑、会社みたいに部署ごとに綺麗に分類できないものだと思っています。

だからこそ、一人の先生の仕事が極端に増えてしまい、本来なら生徒と向き合うことが仕事のはずが、他の雑務でいっぱいになり本来の目的を果たせずに終わってしまいます。

相当むかついたので何度も載せますが、これが現場を知らない人の発言です。

若槻千夏さんのような人が一人でも減ってくれるように心から祈ってます。

教科指導

教員の一番のメインの仕事はこれだと思います。

基礎学力を向上させること。

最近小学生ユーチューバーが、Siriがすべてを教えてくれるから学校に行って勉強する必要はなし、みたいな話は一旦置いておきましょう。

日本の識字率や学力が、諸外国に比べて総じて高いかは以下の参考書類を見れば明らかであると思います。

PISAランキング


OECD 生徒の学習到達度調査Programme for International Student Assessment~ 2015年調査国際結果の要約~|文部科学省国立教育政策研究所

これも教育の機会均等をできるだけ政府が徹底しているからではないかと思っています。

ここで疑問!!

順位が下がったとはいえ、この水準を保っていられるのは

政府のおかげ

教員のおかげ

両親のおかげ

塾のおかげ

どれが、直接的な原因なのかわからない!!

すなわち「教員が教科指導を頑張る=生徒の基本的な学力が向上する」がなりったっているのか分からないのである。

外部的な要因として

塾に通っている

通信教育を受けている

親から教えてもらっている

などの要因がありすぎて、教員の教科指導による学力の向上が数値で表現しにくいのです。

実際、熱意のある先生は今後の授業のために、どの教科書を使用したらよいのかを選択し、どんな方針で授業を進めるのかテストの難易度をどうするのかなどを必死に考えています。一方、他力本願な教員もいます。

このような現状があると、ますます教科指導の生産性・成果を数値かすることが難しいのです。

部活動指導

ゴリゴリの体育会系で育った私は、もちろん部活動指導をしていました。

私立とは違い、県立の高校は選手層もバラバラです。

運がいいときは素晴らしい選手が入ってきますし、正直不作の時もあります。

この部活動指導においても数値で評価しにくい。

何よりも本来の教科指導の生産性を上げることの、邪魔になっているのではないかといった意見まであります。

ただ、先生たちは必死です。

ブラック部活動と呼ばれるほど、部活動の指導は大変なのです。

若い先生も含めて、やる気がありそうだからといった理由で専門でない部活動を見せられ、大会に帯同し、審判資格まで取らされて・・・

帯同時のガソリン代等には上限がある場合も。

教員の皆さん本当にありがとうございます!!

私は教員をやっている時大好きな部活動を毎日見ることができ、大会が多い夏休みが待ち遠しくてしかたがなかったですが、そうでない先生方の気持ちを考えると「部活動指導って地獄」と思います。

しかも大会結果が先生の指導力によるものなのか不確かな部分が多い。

強豪校は除きますが、毎年選手層にムラがあるため県大会出場、県ベスト8などの時もあれば地区一回戦敗退のときもあるわけです。

これでは何を成果として評価していいのか分かりません。

部活動指導において生産性、すなわち大会結果が安定しているから給料を上げるね!!とはならない。なりにくいのです。

すべては数字で表すことができないから。

生徒指導

学校が安定している。

○○学校はあれてる。

地域に住んでいればいろいろな噂は聞くかと思います。

生徒指導は学校で一番大変ですし、生徒指導部やそこの部長になってしまったら忙しさはさらに倍!!

朝は正門に立って挨拶指導

学校でマナーの悪い生徒がいれば生徒指導部が後ろ指さされる

警察沙汰になれば生徒指導部長出動

ほんとにしんどい!!

この生徒指導の忙しさは半端じゃない。

ただ残念ながらこれも関心がない先生がいる。ほんとに報われない仕事・・・

これも生産性を計ることが難しい。

「生徒の素行が落ち着く=教員の生徒指導への生産性が上がった結果」の法則も成り立つのか全く分からない。

自分も書いてカオスな文章(笑)

先生が頑張ることと、生徒が落ち着くことの因果関係が見えないのです。

これも結局数値で計ることができない・・・

教員の皆さん頑張ってるのは分かります!!

私も何度

スカート伸ばせ

遅刻するな

などの注意喚起したり、面談するたびに

キモイ

しね

と何度言われたことか。

心理的ストレスは半端ないのに、本当に申し訳ないのですが、結果を数値化することができない。

何て悲しい現状。

進路指導

進学実績を残すために、必死になる先生たちもいます。

今年は国立大学に〇名合格したぞ

有名私立に□名合格しました。

私たちはこんなに頑張りましたアピールがホワイトボードに、私が赴任していた学校は書かれていました。

「私たちの代の3年生はこんなに結果を残しましたアピールをする先生」はいると思います。

進路指導している先生たちには大変申し訳ない言い方ですが、頑張っているのは先生ではなくて「生徒」です。

部活動指も一緒ですね。

私が指導したときには全国大会に行った。

違います。頑張ったのは生徒です。

教員たちの指導力がすごいから、進路実績が残せたのか

もとから自頭がいい子供たちが集まってくれたのか

学校にあきれた親たちが塾に指導をお願いして学力が伸びたのか

たくさんの要因がありすぎて、これも決定的な要因を決めることができないのです。

よってこれも「進路指導の生産性」を計ることができない。

教員の生産性って何?

結局数値で計れないことが多すぎて、それを給与に反映させることが難しいのが「教員の仕事」なのかもしれません。

記事を書いて考えてしまいました。

教員の生産性とは何なんだろうか。

教員と生徒の信頼度を数値化することなどできるのでしょうか?

教員との出会いによって、生徒の人生が前向きになったり、劇的な変化を遂げた生徒の成長ぶりを数値化することは可能なのでしょうか。

多分無理だと思います。

教員の評価って難しいです。

そもそも、「教員の生産性が低い」といった話題を持ち込むこと自体がナンセンスなのかもしれません。

教員の給料を上げる制度の導入

教員の生産性を上げて賃金上昇を

無駄な残業をなくす

など、外野からいろいろ声はあがっていると思いますが、現場の教員たちは本当に必死になって取り組んでいると思います。

真摯に取り組んでいる現場の人の姿を、まずはくみ取ってください。

リスペクトしてください。

非難したり、過度な負担を与えないでください。

それだけで、現場の教員の子供たちに向かう時間が増えます。

その時間が増えることが「教員の生産性を高める」のではないかと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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